症状・体質改善 風邪

風邪をひきやすいこどもに。体調を支える毎日のこども薬膳ごはん

「また鼻水が出てる…」
「先週治ったばかりなのに、また熱?」

こどもが風邪を繰り返すたびに、ママの不安は大きくなり、どうしたらいいんだろう?とネットを検索することも多いと思います。

病院へ行き、お薬を飲ませ、看病で夜も眠れない。それなのに数日後にはまた別の風邪をもらってきて、仕事や予定をキャンセル……。

「私のケアが足りないのかな?」
「どうしてうちの子はこんなに弱いの?」

と、自分を責めてしまうママも少なくありません。

でも、そんな風に悩むのは、あなたが誰よりもお子さんのことを想っている証拠。

実は、日々の食事に少しだけ「薬膳」の視点を取り入れることで、子どもの体の土台を強くし、風邪に負けない体質へと導いてあげることができます。薬膳は、特別な料理や難しい調理法を指すのではありません。

「その日の体調や季節に合った食材を選び、取り入れる

このシンプルな視点をもつだけで、毎日のおうちごはんが、お子さんの体を守る最高のお守りになります。

ここでは、風邪をひきやすいこどもに向けて、薬膳の考え方に基づく“日々のごはん”の工夫をわかりやすくお伝えします。

なぜこどもは風邪をひきやすいの?

「こども薬膳」の視点から見ると、子どもが風邪を繰り返すのには明確な理由があります。まずは、子どもの体の特性を知ることから始めましょう。

1. 免疫の「バリア」がまだ未完成

中医学では、ウイルスや細菌(邪気)の侵入を防ぐバリアのようなエネルギーを「衛気(えき)」と呼びます。

子どもは成長の途中にあり、この「衛気」を司る「肺(はい)」の機能がまだ未熟です。保育園や幼稚園で新しい集団生活が始まると、次々にウイルスにさらされます。バリアが薄いため、どうしてもすぐ中まで入り込まれてしまうのです。

2. エネルギー不足と食生活のアンバランス

体を守る力(免疫力)の源は、「食べたもの」から徐々に作られます。

好き嫌いが激しかったり、朝食を食べる習慣がなかったりすると、バリアを作るためのエネルギーが不足してしまいます。とくに、体を温める力や、元気を補う「気」の食材が足りないと、外からの刺激にすぐ負けてしまう「風邪をひきやすい体」になりやすいのです。

3. 「冷え」にとても敏感

子どもは大人よりも体温調節が苦手です。冬の寒さだけでなく、夏場の冷房や冷たい飲み物の摂りすぎでも、体の中は簡単に冷えてしまいます。 内臓(特に胃腸)が冷えると、免疫細胞の活動が鈍くなり、風邪をひきやすい環境を自ら作ってしまうことになります。

今回は、これらの背景を踏まえて、「気を補い、胃腸を整え、体を温める」という3つを軸に、日々の献立を考えていきましょう。

薬膳で考える「風邪をひきやすい体」のサイン

薬膳では、風邪を繰り返す子の状態を「気虚(ききょ)」と考えます。「気」は、体を動かす力であり、外からの刺激から守る力でもあります。

この気が不足していると、次のような状態が起こりやすくなります。

✔︎ 食が細く、あまり食べない(またはムラがある)
✔︎ 少し遊ぶとすぐに「疲れた」「抱っこ」と言う
✔︎ 顔色が青白かったり、ツヤがなかったりする
✔︎ 手足がいつも冷たい
✔︎ 一度風邪をひくと、咳や鼻水がダラダラと長引く
✔︎ 汗をかきやすく、汗をかいた後に体が冷えやすい

もし当てはまるものがあれば、それはお子さんの体からの「エネルギーが足りないよ!」というメッセージ。

こども薬膳で最も大切にするのは、食べ物を消化吸収する「脾(ひ=胃腸)」の働きです。胃腸を元気にすることで、効率よく「気」を作り出し、バリア(衛気)を強化していくことができるのです。

風邪をひきやすいこどもにおすすめの薬膳食材

ここでは、日常のごはんに取り入れやすい薬膳食材を、役割ごとに紹介します。すべてスーパーなどで手に入りやすいものです。

スーパーで手に入る身近な食材こそ、最高の薬箱です。役割別に、子どもが食べやすいものをご紹介します。

① 「気」をチャージしてバリアを張る食材

  • 鶏肉: 消化に良く、元気の素である「気」を補う代表格。手羽肉などをスープにするとエキスまで無駄なく摂れます。
  • さつまいも・じゃがいも: 胃腸を元気にし、エネルギーを蓄えます。甘みがあるので子どもも大好きですよね。
  • もち米: 普通のお米よりパワーが強く、体を温め、お腹を丈夫にします。※浮腫みやすい子はNG

② 胃腸の働きをレスキューする食材

  • 山芋(長芋): 「山薬(さんやく)」という生薬名があるほど、滋養強壮に優れています。加熱するとホクホクして食べやすくなります。
  • かぼちゃ: お腹を温め、消化機能を助けます。
  • 大豆・豆腐: 植物性たんぱく質が、体の土台を作ります。

③ 冷えを追い出し、巡りを良くする食材

  • 舞茸: 風邪に対する抵抗力を高めます。毎日キノコ類を活用してみましょう。
  • しょうが・ねぎ: 風邪のひき始めに最適!体の表面を温め、侵入しようとする風邪を追い払います。
  • 玉ねぎ: 体を温め、気の巡りをスムーズにします。

④ 乾燥から喉と鼻を守る食材(秋〜冬に特に重要)

  • 大根: 喉の炎症を鎮め、痰を切るのを助けます。
  • 白ごま: 体に潤いを与え、粘膜を乾燥から守ります。
  • 豆乳: 乾燥した熱を冷まし、肺を潤す効果があります。

忙しいママでも取り入れやすい!こども薬膳の工夫

薬膳スープ

「薬膳=手の込んだ料理」と思っていませんか? 毎日家事や育児に追われるママが、わざわざ特別なメニューを作るのは大変です。 こども薬膳の極意は、「いつものごはんに、ちょい足し・置き換え」をすることにあります。

ステップ1:お味噌汁を「薬膳スープ」に変える

一番簡単なのがお味噌汁。

  • 「今日はちょっと寒そうだな」と思ったら、長ねぎの白い部分を入れる。
  • 「最近食が細いな」と思ったら、さつまいもや山芋を具にする。 これだけで立派な薬膳になります。

ステップ2:子どもが苦手な食材は「似た効能」で置き換える

薬膳の効果を得るために、無理やり嫌いなものを食べさせる必要はありません。ストレスは「気」を停滞させ、逆効果になるからです。 性質が似ている食材を知っておくと、アレンジが効きます。

  • ニラ(温める)が苦手なら… → かぼちゃ、えび、麹調味料で代用。温める力のある食材は意外にたくさん!
  • お肉をあまり食べないなら… → 卵や豆腐、納豆。これらも立派に「気」を補ってくれます。

ステップ3:朝の「一口」から始める

忙しい朝は、まずは温かい飲み物を一口飲むだけでも変わります。

  • お湯で割った豆乳にはちみつを少し(1歳以上) → 喉を潤し、お腹を温めてから一日をスタートできますよ。

我が家のこども薬膳:朝ごはん15分ルーティン

私自身も、子どもたちが風邪を繰り返していた時期がありました。その時に救われたのが、このシンプルな朝ごはんです。

【ある日の朝ごはんメニュー】

  1. 白菜と長芋のお味噌汁: 長芋で胃腸や肺を元気にし、白菜で乾燥ケアを。
  2. 5分付きの胡麻塩おむすび: 分付き米は、偏食っ子のお助け食材!これとお味噌汁さえあれば立派な朝ごはんに。
  3. 目玉焼き: タンパク質をしっかり摂って、1日を頑張る力を。
  4. 煮たりんご: りんごを少し煮たところに、きな粉をふりかけて食べると満腹感もアップ。

特別なおかずを作ることは、子どもがグズグズする忙しい朝には難しいもの。気合を入れた一品よりも、続けられる方法を見つけてみましょう。

これを続けていくうちに、子どもたちが「疲れた」とぐずることが減り、気づけば「今シーズン、まだ一度も熱を出してない!」「喘息の発作が出ていない!」という驚きの変化が訪れました。要素を取り入れていくことで、寝起きの調子が整いやすくなったり、鼻水や咳の発生頻度が下がったりするなど、小さな変化が見られることがありますよ。

ママだけが頑張らなくてもいい。「自分の体を整える力」を子どもに贈る

風邪を繰り返すわが子を前にすると、「私がなんとかしなきゃ」とママ一人が背負い込んでしまいがちです。

でも、薬膳の本当のゴールは、ママが一生完璧な献立を作り続けることではありません。

一番大切なのは、子ども自身が将来、「自分の体の変化に気づき、食べもので自分を元気にできるようになること」だと私は考えています。

薬膳の知恵は、いわば「自分の体を守るための取扱説明書」です。

  • 「今日はちょっとゾクゾクするから、ネギを食べよう」
  • 「お腹が重たいから、今日は温かいお粥にしておこう」

そんな風に、ちょっとした体調の変化を敏感に察知し、自分の口に入れるもので自分の体をメンテナンスできる。これこそが、ママが子どもに授けられる「一生モノの自立の力」になります。

今はまだ、ママが食材を選んであげている段階かもしれません。でも、「寒い日はお野菜を温めて食べようね」「元気がほしい時はお芋を食べようね」というママの何気ない言葉と日々の食卓は、子どもの中に確かな知識として積み重なっていきます。

ママ一人で頑張って「治す」のではなく、子どもが自分で「整えられる未来」を一緒に育てていく。 特別なご馳走でなくていいのです。ママが選んだ一口の食材を通じて、子どもは自分の体を大切に扱う方法を学んでいきます。

その積み重ねが、数年後、数十年後の健やかな体を作ります。「あの時、こども薬膳を一緒に始めてよかった」と、親子で笑い合える日がきっと来ますよ。

「この子に何をしてあげられる?」の答えを見つけたいママへ

毎日のごはんで子どもの体を整える方法は、実はとてもシンプル。 でも、いざという時に「これで合ってるかな?」と不安になることもありますよね。そんなママの心強いお守りになるのが、書籍『こども薬膳』です。

子どもの体質に合わせた食材選びや、忙しい日でも続けられるお助けレシピ、薬に頼りすぎない暮らしの知恵を、一冊にわかりやすくまとめました。

また、公式LINEでは、お子さんの今の体質を診断できる「体質診断シート」も配布しています。 まずはLINEで今の状態を知り、書籍でケアのコツを掴んでみてください。ママの優しさが、お子さんの体の土台をしっかりと作っていくはずです。

診断シート

「こども薬膳」が、あなたと大切なお子さんの、笑顔あふれる毎日の助けになりますように。

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