こどもの薬膳 季節のケア

食育に役立つ!こども薬膳の基本知識|毎日のごはんで育む“食べる力”と一生モノの健康な体づくり

「せっかく作ったのに、食べてくれない……」

「好き嫌いばかりで、将来の体が心配」

「風邪をひきやすい気がするけれど、食事でできることはないかな?」

子どもの“食”について、尽きることのない不安を抱えているママはとても多いものです。

特に、丁寧な暮らしや本質的な子育てを大切にしたいと願うママにとって、毎日の献立作りは単なる家事ではなく、子どもの未来を作る責任の重い仕事のように感じられているかもしれません。

そんな日々の中で「薬膳」という言葉に出会ったとき、どこか専門的で難しそうなイメージを持たれた方もいるでしょう。しかし、こども薬膳の本質は、決して難しい理論や特別な生薬にあるのではありません。

それは、「目の前の子どもの状態を正しく知り、その時々に必要な食材を選び取れるようになること」

今回は、家庭ですぐに実践できるこども薬膳の基礎知識を、書籍の知恵を紐解きながら、読み応えのある内容でお伝えします。

なぜ、いま「子ども」に食育と薬膳が必要なのか

食育の本質は「自分を守る力」を育てること

農林水産省では、食育を「食を通して心身の健康を育む教育」と定義しています。

しかし、こども薬膳の視点からお伝えすると、食育とは「自分の体を自分で守る知恵を授けること」です。

栄養学的な数値も大切ですが、それ以上に重要なのは、子ども自身が「いま、自分の体の中で何が起きているか」を感覚的に捉えられるようになることです。

なんだかお腹が重いな」「のどが乾燥してイガイガするな」 こうした小さな変化に気づき、それを言葉にできる力は、自分を大切にする自尊心や、将来の健康管理能力に直結します。

好き嫌いは「体からのメッセージ」

薬膳の考え方では、子どもの食べムラや好き嫌いを、単なる「わがまま」とは捉えません。

例えば、甘いものばかり欲しがる時はエネルギー不足、体を冷やす野菜を嫌がる時は体が冷えているか浮腫んでいる、といったように、体がその時に必要としている(あるいは負担に感じている)ことを表現しているサインであると考えます。

ママがこの視点を持つことで、「どうして食べないの!」という焦りが、「今は体がこう感じているんだね」という深い理解へと変わります。

実際、ピーマンが大好きなお子さんの体質を見たら、まさにピーマンが必要な体だった!というようなことも多いので、驚きです。

こどもの体からのメッセージがわかるようになると、単なる好き嫌いが、体からの必死のサインだと思えるようになります。好き嫌いとの向き合い方が、180度変わるんです。

こども薬膳の基本「五性」――食材が持つ特性

薬膳には、食材が食べた後に体の中でどのような働きをするかを示す「五性(ごせい)」というものさしがあります。

これは、四季の変化や子どもの体質を見極める上で非常に重要な知識です。

  • 「寒・涼(かん・りょう)」:体の熱を鎮める食材 夏野菜や果物に多く、体にこもった余分な熱を冷ましてくれます。のぼせやすい子や、夏場のクールダウンに適していますが、冷えやすい子が摂りすぎると消化機能を弱めることもあります。
    (例:きゅうり、ナス、トマト、スイカ、豆腐)

  • 「温・熱(おん・ねつ)」:体を温め、巡りを良くする食材 お腹を温めて消化を助けたり、血の巡りを良くしたりします。冬場はもちろん、顔色が青白い子や、冷房で体が冷えがちな現代の子どもたちにとって、お守りのような存在です。
    (例:カボチャ、生姜、鶏肉、エビ、ニラ)

  • 「平(へい)」:どちらにも偏らない、毎日の土台となる食材 体を温めすぎず冷やしすぎないため、体質を問わず誰でも安心して食べられます。日々の献立のベースに据えるべき、最も大切な食材群です。
    (例:お米、大豆、トウモロコシ、キャベツ、長芋)

ママが「今日は外が冷え込むから、温める食材を選ぼう」と意識する。

その一歩が、子どもの体調を安定させる大きな力になります。

「五味」の個性を知る――味覚が体に届ける5つの役割

五味(ごみ)とは、単なる味の違いではなく、それぞれが体内の特定の場所に働きかけ、特定の機能を動かす「指示書」のようなものです。

  1. 酸(さん):引き締める、漏らさない
     汗や下痢、せきなどを止め、体内の大切な潤いやエネルギーが漏れ出るのを防ぎます。
    (代表食材:梅干し、レモン、酢、トマト)

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  2. 苦(く):熱を出し、湿気をとる 
    余分な熱を冷まし、体内の水分バランスを整えます。デトックス効果も高い味です。
    (代表食材:レタス、ゴーヤ、セロリ、緑茶)

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  3. 甘(かん):元気を補い、痛みを和らげる 
    消化機能を高め、エネルギー(気)を補います。子どもの成長に最も欠かせない「土台」の味です。
    ※砂糖の甘さではなく、素材の自然な甘みを指します。
    (代表食材:お米、サツマイモ、カボチャ、栗)

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  4. 辛(しん):発散させ、巡らせる 
    気を巡らせて、滞りを解消します。風邪の引き始めに汗を出させて邪気を追い払う力もあります。
    (代表食材:生姜、ネギ、大根、シソ)

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  5. 鹹(かん):固いものを柔らかくし、便通を良くする
    「しおからい」味。体の余分な塊をほぐし、老廃物の排出を助けます。
    (代表食材:海藻類、カニ、味噌、醤油)

これら5つの味をバランスよく、あるいは体調に合わせて調整することで、薬に頼りすぎない体づくりが可能になります。

季節のリズムに体を合わせる「五季」の過ごし方

日本には美しい四季がありますが、薬膳では湿気の多い梅雨や長雨のシーズンを「長夏」とし、5つの季節(五季)で考えます。季節の移ろいとともに変化する子どもの体に合わせて、旬の食材を選びましょう。

  • 春:のびのびと「気」を巡らせる 
    冬に溜め込んだものをデトックスし、自律神経が揺らぎやすい時期。香りの良い野菜や苦味のある山菜で、気をスムーズに巡らせます。
    (おすすめ:セロリ、アスパラ、イチゴ、菜の花)

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  • 夏:熱を冷まし、水分を補う 
    体温調節が未熟な子どもは熱がこもりやすいもの。水分たっぷりの夏野菜でクールダウンしつつ、冷たいものの摂りすぎで弱った胃腸をケアします。
    (おすすめ:きゅうり、スイカ、枝豆、冬瓜)

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  • 長夏(ちょうか):胃腸を休め、土台を整える 
    湿気が多いシーズンは、特に消化器(脾)が疲れやすい時期。消化に良い温かい料理を選び、次の季節に備える体力を蓄えます。
    (おすすめ:お米、長芋、カボチャ、キャベツ)

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  • 秋:乾燥から肺と粘膜を守る 
    空気が乾燥し、咳や肌荒れが出やすい時期。粘膜を潤す「白い食材」を積極的に取り入れ、内側からバリア機能を高めます。
    (おすすめ:梨、レンコン、白ごま、里芋)

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  • 冬:エネルギーを蓄え、寒さに備える 
    「腎」を養い、生命力を蓄える時期。黒い食材で体を芯から温め、ウイルスに負けない抵抗力を養います。
    (おすすめ:黒豆、黒ごま、海藻、クルミ)

子どもの体質を見極める「観察眼」の磨き方

こども薬膳において、ママの最大の役割は「観察者」であることです。 同じものを食べても、ある子は元気に走り回り、ある子はお腹を壊す。それは体質(個性)が違うからです。

  • 「脾(ひ)」が弱い子(胃腸がデリケート)
     食が細い、軟便になりやすい、疲れやすい、細かいことが気になるといった特徴があります。こうした子には、冷たい飲食物を避け、「甘味」の食材で消化器をサポートします。
  • 「肺(はい)」が弱い子(呼吸器や皮膚が敏感) 
    風邪をひきやすい、アレルギー体質、肌がカサカサしやすい特徴があります。潤いを補う食材や、風邪の弾き始めは「辛」の食材を適度に取り入れます。

「今のわが子には、何が足りていないのか」 その問いを持って子どもを見つめる時間は、単なる食事管理を超えた、親子の絆を深める行為そのものです。

ママが楽になる、日常への取り入れ方

「薬膳を始めなきゃ」と、今の献立を全て変える必要はありません。

大切なのは、いつもの料理に「薬膳の視点」という考え方をひとつ加えることです。

  • 「ちょい足し」から始める 
    お味噌汁に体調に合わせた野菜を1つ入れる。疲れた日には長芋を料理の中にひと食材入れる。その「ひとつ」が、十分な薬膳です。
  • 「正解」は子どもが教えてくれる 
    知識通りに作った料理を、子どもが喜んで食べ、その後の体調や機嫌が良ければ、それがその子にとっての「正解」です。教科書よりも、目の前の子どもの反応を信頼してください。

子どもの体調に合わせたごはんを学ぶ「こども薬膳 長期講座」

日々の食卓を、子どもの心と体を整える場所に。 長期講座では、単なるレシピの習得にとどまらず、子どもの顔色や声、機嫌から体質を読み解く「観察眼」を養い、その時々に最適な献立を組み立てる力をじっくりと学んでいただけます。

同じ悩みを持つママたちと共に学びを深める時間は、きっとあなたの子育てをより豊かで、安心感に満ちたものに変えてくれるはずです。

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まとめ|ごはんで育む、一生モノの「生きる知恵」

食べることは、生きることそのもの

毎日のごはんを通して、子どもたちが「自分の体は食べたものでできているんだ」「体調に合わせて選ぶことができるんだ」と体感していくこと。

それは、ママから子どもへ贈ることができる、最高のギフトではないでしょうか。

こども薬膳は、特別な魔法ではありません。 日々の台所にある食材に感謝し、季節の移ろいを感じ、子どもの成長を静かに見守る。その温かな眼差しこそが、何よりの栄養となります。

難しく考えず、まずは今日のごはんに、旬の食材をひとつ。 ママの優しさから、子どもの健やかな未来を、ゆっくりと、確実に育んでいきましょう。

さらに深く知りたい、手元に知恵を置いておきたい方へ

今回ご紹介した知識は、こども薬膳のほんの入り口に過ぎません。

より具体的な実践方法を知りたい方へ、こちらもおすすめしています!

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