成長期の子供とスポーツ|がんばる体をどう支える?

「もっと体力をつけてあげたい」
「ケガや不調なく続けさせてあげたい」
スポーツに打ち込む子どもを見守るママたちから、日々こんなお声が届いています。 一生懸命がんばる姿が誇らしい反面、
・疲れが抜けない
・風邪をひきやすい
・食べているはずなのに元気が続かない
そんな様子に、不安や葛藤を感じることもありますよね。
私自身も、子どもの体調や成長を前に 「何を食べさせたらいいんだろう」 「この選択で合っているのかな」 と迷い続けてきました。
だからこそ、こども薬膳では“がんばらせるための食事”ではなく、「消耗した体を回復させ、安心して成長できる土台を作るごはん」を大切にしています。
運動する子は「消耗が激しい」 成長期だからこそ意識したいこと
スポーツをしている子どもは、 ・運動によるエネルギー消費 ・成長に使われるエネルギー この2つを同時に必要としています。
つまり、大人以上に“消耗しやすい体”。
「たくさん食べているのに疲れやすい」
「朝が弱く、なかなか起きられない」
「休んでも回復しきらない」
それは、量ではなく体の中身(使われ方)が足りていないサインかもしれません。
プロテインや栄養ドリンクに頼りすぎないでほしい理由
忙しい毎日の中で、 プロテイン・栄養ドリンク・サプリメントに助けられる場面もあります。
ただ、成長期の子どもの体はまだまだ未完成。 消化吸収の力も大人ほど強くありません。
こども薬膳では、 「消化できること」「体に負担をかけないこと」をとても大切にします。
一時的に補うより、 毎日の食事で“回復できる体”を育てていく。 それが、長くスポーツを続けるための近道だと考えています。
こども薬膳が大切にしている「体の土台」
薬膳は、「気・血・水(体の3要素)」のバランスを整えることで、体の土台を作る食養生です。
難しく感じるかもしれませんが、 特別な食材や完璧な知識は必要ありません。
「この子、最近疲れているな」 「汗の量が多いな」 「食べても身になっていない気がするな」
そんなママの気づきこそが、薬膳のスタートです。
スポーツをがんばる子に意識したい4つの視点

① エネルギーの源「気」を補う
運動量の多い子どもは、まず“気”が不足しやすくなります。
米、かぼちゃ、さつまいも、鶏肉、豆腐、はちみつ など
「ちゃんと動ける」「やる気が続く」体のベース作りに。
② 持久力を支える「血」を養う
疲れやすさ、集中力の低下、顔色の悪さが気になる時は“血”の不足を疑います。
にんじん、ほうれん草、黒ごま、黒豆、なつめ、卵 など
コツコツ積み重ねることで、粘り強さにつながります。
③ 感情の起伏をため込まない「巡り」を意識
筋肉のこわばりや、気持ちのイライラも“巡り”と関係しています。
柑橘類、セロリ、レモン、ピーマン、バジル など
香りのある食材は、心と体をゆるめてくれます。
④ 汗と熱で失われる「潤い」を守る
たくさん汗をかく子ほど、体の中は乾きやすい状態に。
れんこん、きゅうり、梨、白ごま、豆乳 など
潤いをプラスすることは、感染症への対策や、睡眠の質を支えるなどの効果があり、大切な視点です。
薬膳で体力を支える!目的別おすすめ食材リスト

ここからは、「何を食べたらいいか分からない」というママのために、 目的別に考える薬膳食材をご紹介します。
すべてを完璧に揃える必要はありません。 「最近これ、よく使っているな」 「今日はこの組み合わせにしてみよう」 そんな感覚で、日々の献立に落とし込んでください。
疲労回復を助けたいとき
運動後の疲れが抜けにくい、 休んでも元気が戻りにくいと感じるときは、 消耗した“気と血”を補うことを意識します。
- 鶏肉:消化にやさしく、気と血を補う万能たんぱく源
- 卵:血を養い、筋肉や脳の回復を支える
- 黒豆:腎(成長・回復力)を支え、体の芯を強くする
- なつめ:気血を補い、疲れや気持ちの不安定さにも
「しっかり休ませたい日」のごはんにおすすめです。
持久力を高めたいとき
長時間の練習や試合が続く時期は、 エネルギーを生み出し続ける力を養います。
- うるち米:補気を叶える主食
- 山芋:消化を助け、疲れを溜めにくい体に
- にんじん:血を補い、目や皮膚の乾燥ケアにも
「最後まで動ける体」を支える組み合わせです。
筋肉・骨の成長を支えたいとき
成長期の体づくりは、しっかり補いながら、無理なく吸収できることがポイント
- イワシ:血を補い、骨や筋肉の成長を支える
- たこ:気血の巡りを促し、筋肉の張りや疲れを残しにくくする
- うずらの卵:血を養い、成長期の体に栄養を届けるたんぱく源
「ケガなく続けてほしい」時期のごはんに取り入れたい組み合わせです。
汗や熱が気になるとき
汗をたくさんかく子ほど、 体の中は意外と乾いています。
- トマト・きゅうり:体の熱を冷まし、水分バランスを保つ
- 梨:のどや肺を潤し、呼吸の負担を軽減
「ほてり」「寝苦しさ」を感じる時期におすすめです。
食べるタイミングと献立の工夫|日常で取り入れる薬膳ごはん

朝は「エネルギーを作る」補気中心の構成
- 白米やおかゆ+たまごや魚・味噌汁・芋類
- 補気系の穀類と温かい汁物で、内臓を温めて元気チャージ
昼は「集中力・持久力」を支えるパワーごはん
- 雑穀ごはん+肉や魚・野菜のバランス献立
- 気や血の補給に、豆類、芋類、卵も◎
- 子供でも食べやすい味と彩りの工夫を
夜は「疲れを癒す・筋肉修復」+消化を助ける内容に
- 温かいスープ、蒸し野菜中心
- 疲労回復のためにしっかり栄養を摂るが、胃腸にやさしい内容で
- 消化の良い食材で睡眠の質もアップ
忙しくてもできる!無理なく続ける薬膳の工夫
一汁三菜のなかに薬膳のエッセンスを取り入れる
こども薬膳は、 楽しく長く続けることがいちばん大切です。
・ごはんを白米から雑穀に変える日があってもいい
・卵焼きに黒ごまを少し足すだけでもいい
・スープにれんこんを入れるだけでも立派な薬膳
「今日はこれができた」 そんな積み重ねで十分です。
常備食材・冷凍食材の活用でもOK
冷凍かぼちゃ・ほうれん草・鮭・豆腐・なつめなどを常備しておけば、忙しい日でも手軽に薬膳が叶います。
「完璧を目指さず、バランス重視」で取り入れる
薬膳は「自然な流れを整える」考え方なので、一度の食事で全てをカバーする必要はありません。1週間単位でバランスを見るイメージで取り組むと、ストレスなく継続できます。
まとめ|スポーツと成長を応援する、こども薬膳ごはん

がんばる子どもの体は、 想像以上にエネルギーと回復を必要としています。
こども薬膳は、 がんばらせるための食事ではなく、子どもの体を守るためのごはん。
毎日の食卓が、 「これで大丈夫」とママが思える時間になりますように。その安心感こそが、 子どもの力をいちばん引き出してくれる土台だと、 私は感じています。
子どもの体を守りたい気持ちと、 情報が多すぎて迷ってしまう現実。その間で揺れるママの気持ちを、 たくさん見てきました。
こども薬膳は、 ママが自分の判断に自信を持てるようになる知恵でもあります。
日々のごはんが、 「大丈夫」「ちゃんと支えられている」 そう思える時間になりますように。
スポーツと成長を、無理なく支える。 それが、こども薬膳が伝えたい食のあり方です。
