季節のケア 鼻水

こどもの花粉症の食事ケア|鼻水を体内水分の調整で軽減する方法

春の訪れとともに、子どもの鼻がズルズル、サラサラ……。

何度も鼻をかんで赤くなってしまった鼻の下や、詰まって苦しそうな寝息を聞いていると、「なんとかしてあげたい」という焦りや不安が芽生えるかもしれません。「早く止めてあげたい」「薬を飲ませなきゃ」と、スマホで解決策を探し続ける日々。

しかし、スマホの中にある「誰かにとっての正解」が、今目の前にいる「わが子」にとっても正解とは限りません。

こども薬膳が何より大切にしているのは、食べ方の正解を暗記することではなく、わが子の変化に気づく「観察眼」を育てることです。鼻水は決して厄介な敵ではなく、体が一生懸命にバランスを取ろうとしている大切なサイン。

この記事では、資料に基づいた「春の体のメカニズム」と、この時期の強い味方となる「ハトムギ」の取り入れ方、そして食卓を笑顔にするための工夫を、お伝えします。

その鼻水、体の中に余分な「水」が溜まりすぎているサインかも?

春先に多くなる、お子さんのサラサラとした鼻水。

こども薬膳の視点で見ると、この状態は、体内の水分のバランスが崩れているサインです。

キーワードは、水分を「運ぶ」力

私たちの体には、入ってきた水分を処理して全身へ運ぶ「脾(ひ)」というポンプのような機能をする場所があります。 元々、皮膚が敏感だったりアレルギー傾向があったりするお子さんは、この「脾」の力が低下していて、水分を全身に回す力が十分でない可能性があります。

冬の間に溜め込み、巡りが滞っていた余分な水分が、春の陽気で一気に動き出そうとすると、処理が追いつかなくなった「脾」から水が漏れ出してしまいます。

この、行き場を失って溢れた「不要な水」による不調症状が、サラサラ鼻水の正体なのです。

鼻水は「悪者」ではない

鼻水が出るのは、体が「今、水がいっぱいだから外に出してスッキリさせよう!」と頑張っている証拠です。

無理に薬で蛇口を締めることだけを考えるのではなく、「なぜ今、鼻水が出ているのかな?」とお子さんの今の状態を優しく観察してあげてください。 特に胃腸が弱っていると脾の機能が低下しやすく、鼻水も多くなりがちです。

「いつもより食べすぎちゃったかな?」
「昨日は水分を摂りすぎたかな?」

そんなふうにママが「観察」すること。それが、あふれる情報を追いかけるよりもずっと大切なわが子のための第一歩になります。

救世主食材は、余分な水を排出する「ハトムギ」

流れの悪い水を調節し、体内の水分量を適正に保つ助けとなるのが「ハトムギ」です。

余分な水を「尿」として排出する力

ハトムギは、薬膳において体内の余分な水分(湿)を取り除き、尿として体外へ排出する優れた「利尿作用」を持っています。鼻水として溢れ出そうとしている水分を、尿という正しい出口へと導いてあげる。これが、ハトムギが春の鼻水対策に選ばれる理由です。

一般的な麦茶などに使われる麦類と比較しても、ハトムギには独自のデトックスの力があり、鼻の不快感に悩むお子さんの強い味方になってくれます。

見極めが大事!向く子・向かない子

ただし、薬膳には「いつでも・誰にでも合う食材」は存在しません。ハトムギは、体の中の余分な熱を冷ます性質も併せ持っています。

  • おすすめ: お顔が赤く、体内に余分な水分を溜め込みやすいタイプのお子さん。
  • 注意が必要: もともと肌がカサカサと乾燥しやすかったり、喉が乾きやすかったりするタイプのお子さん。

「うちの子はどっちかな?」と、今日のお子さんの肌の質感や元気さをみてから、取り入れるかどうかを決めてください。

スープ、ごはん、お茶。わが子に合った「ハトムギ」の取り入れ方

薬膳スープ

「体にいいから食べなさい」と無理強いしては、せっかくの食卓が台無しになってしまいます。お子さんの好みに合わせて、柔軟に取り入れるのがこども薬膳の考え方です。

一番のおすすめは「ホクホク」を楽しめるスープ

ハトムギは、もち麦や押し麦とは違い、加熱することで「ホクホク」とした独特の食感になるのが特徴です。この食感を一番楽しめるのが、スープや煮込み料理です。 野菜と一緒にコトコト煮込むことで、ハトムギの効能がスープに溶け出し、吸収もしやすくなります。

食べるのが苦手な子は、無理せず「お茶」から

もし、お子さんがハトムギの粒を食べるのが苦手なら、無理をさせる必要はありません。

効果はやわらぎますが、ハトムギ茶として取り入れるだけでも十分なケアになります。 「食べなければ意味がない」と思い詰めるのではなく、お子さんが「おいしいね」と思える形を探してあげてください。

梅雨のむくみシーズンには欠かせないお茶!

ご飯に混ぜて「宝探し」

麦の食感が平気なお子さんなら、いつものご飯と一緒に炊き込んでみましょう。白米の中に混ざったホクホクのハトムギは、まるでお宝のよう。

少しずつ、日常の食卓に溶け込ませていくのがコツです。

もし苦手でも、ご飯と一緒に炊飯すればハトムギは上に浮くので、そこだけ取り除いてもOKです。一緒に炊き込んだご飯にもわずかながら効能がありますよ。

我が家ではご飯に混ぜて食べることが多いですね♪

食卓を遊び場に。「秘密の食材クイズ」が引き出す子どものやる気

「これを食べると鼻水が止まるよ」と正論を伝えるよりも、もっと楽しく、お子さんの好奇心を刺激する方法があります。

「食べてみようかな」を育む伝え方

「今日のごはんには、お鼻の詰まりを助けてくれる『秘密の食材』が入ってるけど、どれかわかるかな?」

そんなふうに、食卓をちょっとしたクイズの場に変えてみてください。

お子さんが自分で見つけて、「これかな?」と口に運ぶ。その主体性こそが、薬膳の効果を何倍にも高めてくれます。

「苦手だけど、お鼻がスッキリするならちょっと食べてみる」 お子さんからそんな言葉が引き出せたら、それはもう大成功です。完食することよりも、自分の体と向き合おうとしたその気持ちを、全力で褒めてあげてください。

「食べ方」よりも「感じ方」。ママの観察眼がわが子を守るお守りになる

薬膳を学ぶということは、単にレシピを増やすことではありません。わが子をみる力を養い、季節や環境の変化に揺らぐ子どもの心身を、丸ごと受け止めてあげるための知恵です。

「どの食材が何に効くか」という知識に縛られすぎないでください。 毎日お子さんの顔を合わせ、鼻水の状態や、目の輝き、寝付きの良さ……そんな小さな変化に気づけるのは、他の誰でもない、一番近くにいるママだけです。

「今日は鼻水が出ているから、お水を体から出しちゃうご飯にしてみない?」

そうやって寄り添う家庭の温度感こそが、お子さんの体と心を強くし、未来の健康を作っていく基盤になります。

正解はスマホの中ではなく、目の前のお子さんの中にあります。 ハトムギという優しい知恵を借りながら、春の揺らぎを親子で軽やかに乗り越えていきましょう。

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