
「春になると肌が荒れて、夏は急にお腹を壊す。やっと落ち着いたと思ったら秋は咳が止まらなくて、冬は風邪のループ……」
季節が変わるたびに、お子さんの体調不良に振り回されて「私のケアが足りないのかな?」と不安になることはありませんか?
鼻水が出始めたり、寝つきが悪くなったりするたびに、スマホで検索しては溜息をつく……そんな毎日を過ごしているママは少なくありません。
実は、子どもの体は大人が想像する以上に季節や気候の影響をダイレクトに受けています。
なぜなら、子どもの体はまだ「未完成」で、成長のエネルギーで満ち溢れている一方で、臓腑機能がとてもデリケートだからです。
東洋医学には「天人合一(てんじんごういつ)」という言葉があります。
「人は自然の一部」という意味です。
季節の移り変わりに合わせて、その時に必要な食材を選んであげること。それが、子どもの体調を穏やかに保ち、ママの心のゆとりを作る「こども薬膳」の基本のアプローチです。
今回は、書籍の内容を参考に、四季ごとの子どもの体の変化と、今日から取り入れられる「こども薬膳」の知恵をたっぷりとお伝えします。
春|「巡り」を整え、気持ちの高ぶりと肌を守る

春は芽吹きの季節。
自然界が活動を始めるのと同時に、子どもの体の中でも「気(エネルギー)」が活発に動き出します。しかし、春は寒暖差が激しく、進級や進学など環境の変化も大きい時期。この「変化」が、繊細な子どもの自律神経を刺激します。
春の子どもの「困りごと」
「最近、理由もなくグズグズするな」
「夜泣きが復活したかも?」
と感じたら、それは春のサインかもしれません。
東洋医学では、春は「肝(かん)」という内臓が活発になります。肝は感情や自律神経、目、爪などと深く関わっています。 ここが乱れると、子どもはイライラしやすくなったり、胃腸の不調症状がでやすくなったりします。
「春だからイライラする気分になっちゃったのかな」とママがどっしり構えるためにも、食事で「巡り」をサポートしてあげましょう。
春におすすめの「こども薬膳」食材
春は、体にこもった熱を逃がし、気の流れをスムーズにする食材を選びます。
- 三つ葉・セリ: 香りの強い野菜は、滞った「気」を動かしてくれます。細かく刻んで卵焼きに混ぜたり、お味噌汁に散らしたりするだけで、イライラ解消の薬膳になります。
- 柑橘類:香りのいい果物は、春の気持ちのたかぶりに最適です。イライラ解消におやつに取り入れてみましょう。
- れんこん: 春風による乾燥や、花粉の影響による喉の不快感にはれんこんが最適。
- 黒豆: 冬に消耗したエネルギーを補いつつ、解毒作用で春の肌荒れを防ぎます。
- たけのこ: 体の余分な熱を冷まし、老廃物を出すサポートをしてくれます。
【ママへのヒント】
春は「苦味」のある食材もいいですが、子どもには少し食べにくいもの。そんな時は、香りの良い「柑橘類(みかんや苺)」をデザートに出すだけでも、気の巡りを助ける立派な薬膳になりますよ。
夏&長夏|「暑さ」と「湿気」からお腹を守る

日本の夏は、猛烈な暑さと「湿気(湿邪)」の戦いです。子どもの体は熱がこもりやすく、さらに消化機能(脾:ひ)がまだ弱いため、夏バテや食欲不振に直結しやすいのが特徴です。
夏の子どもの「困りごと」
「全然ごはんを食べてくれない」
「冷たいアイスやジュースばかり欲しがる」
……夏休みのママを悩ませる大きな問題ですよね。
体温調節が未熟な子どもは、外の暑さで体に熱がこもる一方で、冷房や冷たい飲み物でお腹(胃腸)がキンキンに冷えています。この「外熱・内冷」の状態が、夏風邪や下痢、ひどい寝苦しさを引き起こします。
夏におすすめの「こども薬膳」食材
夏は、熱を冷ましながら水分を補い、同時にお腹をいたわる食材を選びます。
- きゅうり: 「食べる点滴」とも言えるほど水分が豊富。体内の余分な熱を逃がしてくれます。
- トマト: 喉の渇きを潤し、食欲を増進させます。赤い色は元気の源です。
- 冬瓜(とうがん): 水分の代謝をスムーズにし、むくみや体の重だるさを解消します。
- 緑豆(りょくず): 解熱作用が非常に高い食材です。緑豆もやしや緑豆春雨にも同様の効果があり!
- とうもろこし: 胃腸を元気にし、水分の排出を助けます。ヒゲの部分もお茶にすると効果的です。
【ママへのヒント】
冷たいものばかりを欲しがる時は、食材の力で中から冷やしてあげましょう。ただし、胃腸を直接冷やさないよう、飲み物は常温を心がけ、食事の最後に温かいお味噌汁を一口飲むだけでも、夏バテ予防になります。
秋|「乾燥」から喉と肌のバリアを強化する

秋風が吹き始めると、空気が一気に乾燥します。東洋医学では、秋は「肺(はい)」の季節。肺は呼吸器だけでなく、肌のバリア機能とも密接に関係しています。
秋の子どもの「困りごと」
「夜中にコンコンと乾いた咳をする」
「お風呂上がりに体を痒がるようになった」
これらは、体内の潤いが不足しているサインです。
子どもは粘膜が薄いため、乾燥した空気が入ってくるとすぐに炎症を起こしやすくなります。この時期にしっかり潤いをチャージしておかないと、冬の本格的な感染症シーズンを乗り切る体力が備わりません。
秋におすすめの「こども薬膳」食材
秋は「白」の食材が肺を潤すと言われています。
- 白ごま: 腸を潤し、乾燥による便秘を防ぎます。すりごまにして、あらゆる料理にパラパラとかけてください。
- はちみつ: 天然の保湿剤です。喉の痛みを和らげ、肺を潤します(※1歳未満はNG)。
- れんこん: 秋のれんこんは、粘膜を保護する力が抜群。すりおろして肉類と一緒にお団子にしたり、スープにしたりすると、子どもも喜んで食べてくれます。
- だいこん: 消化を助け、痰を切る働きがあります。喉が痛い時は大根おろしも効果的です。
- なし: 「天然の咳止め」と呼ばれるほど。生で食べるのも良いですが、咳がひどい時はコンポートのように火を通すと、よりお腹に優しく潤いを与えます。
【ママへのヒント】
「潤い=水分を摂る」と思われがちですが、水を飲むだけでは体は潤いません。食材が持つ「潤す力」を借りることが、しっとりしたお肌と強い喉を作る近道です。
冬|「冷え」を払い、一年の元気を蓄える

冬は「閉蔵(へいぞう)」といって、エネルギーを外に出さず、体の奥深くに蓄える時期。東洋医学で生命の貯蔵庫と呼ばれる「腎(じん)」を大切にする季節です。
冬の子どもの「困りごと」
「朝、布団からなかなか出てこない」
「すぐに風邪をもらってくる」
冬の寒さは、子どもの生命エネルギーを消耗させます。
特に「腎」が弱まると、成長のペースが落ちたり、耳のトラブルが増えたりします。また、冷えは万病の元。足元やお腹が冷えると、免疫力は一気に下がってしまいます。
冬におすすめの「こども薬膳」食材
冬は、体を内側から温める「黒」の食材と、エネルギーを補う食材が主役です。
- 黒ごま: 腎を補い、生命力を高めます。おにぎりの定番に。
- 海老: お腹を温め、腎を補う力をダイレクトに補給してくれます。
- くるみ: 脳の活性化や、肺・腎のサポートに。おやつとしてそのまま食べられる手軽な薬膳です。
- にんにく・生姜: ほんの少量、料理の隠し味に使うことで、血行を促進し、寒さに負けない体を作ります。
- にら: 体を内側から温めて巡りを良くします。餃子やチヂミなど、お子さんが好きなメニューに取り入れやすいのも魅力です。
【ママへのヒント】
冬のごはんは、何と言っても「温かさ」がご馳走です。
朝一番に温かいスープや味噌汁を飲むだけで、子どものスイッチが入り、一日を元気に過ごせるようになります。
「こども薬膳」は、ママから子どもへの最高のプレゼント

「薬膳」と聞くと、苦い生薬を使ったり、難しいルールがあったりするイメージを持つかもしれません。でも、本来の薬膳はとてもシンプル。
スーパーにある普通の食材を使って、「今の子どもの状態はどうかな?」と観察することから始まります。
「今日は鼻水が出ているから、れんこんを入れようかな」
「昨日はイライラしてたから、セロリのスープにしよう」
そんな風に、ママが食材の持つ力を知っているだけで、子育ての不安は驚くほど軽くなります。毎日のごはんは、ただお腹を満たすだけのものではありません。10年後、20年後も健康でいられるための「土台作り」です。
「すべてを完璧に」と思う必要はありません。忙しい日は、買ってきたお惣菜に白ごまを振るだけでもいい。その一歩が、子どもの体を変えていきます。
もっと詳しく知りたいママへ
「うちの子の体質は、どのお野菜が合うの?」 「具体的にどんなレシピを作ればいいの?」
そんな疑問をお持ちのママは、ぜひ書籍『薬に頼らずのびのび育てる こども薬膳』を手に取ってみてください。季節ごとの詳しい解説や、子どもが喜ぶ美味しい薬膳レシピをたくさん紹介しています。
また、今なら公式LINEに登録いただくと、「子どもの体質診断シート」をプレゼントしています。 お子さんのタイプ(疲れやすい、熱がこもりやすいなど)を知ることで、今日から選ぶべき食材がさらに明確になりますよ。
季節の変化に振り回されず、ごはんの力で子どもの「生きる力」を一緒に育んでいきましょう。

