栄養と成長

子供の免疫力を高める薬膳食材10選

「また鼻水出てる…」

「この前治ったばっかりなのに」


季節の変わり目になると、風邪をひきやすい子供にちょっと困ってしまう…そんな経験、ありませんか?

薬を飲んでもぶり返すし、毎回病院に行くのも大変だし。できれば、普段のごはんでもっと元気な体を作れたらいいのに。そんな風に思っているママにこそ、知ってほしいのが“薬膳”という考え方です。

「薬膳」って聞くとなんだか難しそうですが、実はスーパーで買えるような身近な食材でも、体を整えるパワーがあるんです。とくに、免疫力を高める食材は、風邪予防や体質改善にもぴったり。

今回は、そんな“子供の免疫力アップ”に役立つ薬膳食材を10個ご紹介します。偏食気味でも取り入れやすいコツもあるので、気軽に読んでみてくださいね。

免疫力とは?東洋医学的に見る子どもの弱い体のしくみ

「免疫力が弱いから風邪をひきやすいのかな」と感じるママも多いかもしれません。免疫とは、体を守る「防衛システム」。ウイルスや菌などの異物から体を守り、調子を整える力です。

東洋医学では、この「免疫力」は「気(き)」というエネルギーに関係しています。特に「衛気(えき)」と呼ばれる、体の外側を巡る気が、外敵から体を守るとされています。この衛気が不足したり、弱まったりすると、風邪をひきやすくなったり、肌や呼吸器に不調が出やすくなります。

子供はまだこの「気」を十分に作る力が弱く、内臓の働きも未発達です。そのため、寒さや乾燥、疲れなどの環境変化に影響されやすく、免疫が不安定になりがちなのです。

薬膳では、「気を補う」「体を温める」「胃腸を元気にする」ことが、免疫力を高める基本とされています。今回は、そんな視点から子供におすすめの薬膳食材を紹介していきます。

風邪をひきやすい子供が多い理由と季節の関係

子供が風邪をひきやすいのには、明確な理由があります。

まず、秋冬は気温の変化が激しく、空気も乾燥します。これが、呼吸器や肌を刺激し、ウイルスや菌が侵入しやすくなる原因となります。また、子供は外遊びが多く汗をかきやすい一方で、冷えやすく体温調節が苦手。ついつい冷たい飲み物や食べ物を摂取する機会も多いので、免疫を下げる「冷え」が体に溜まりやすいのです。

さらに、生活習慣や食事リズムも影響します。偏食や睡眠不足、運動不足などが続くと、子供の体本来の力が弱まり、免疫機能が下がるとも言われています。

こうしたことから、薬膳では「温める食材」「胃腸を元気にする食材」「乾燥を防ぐ潤い食材」を夏から秋への季節の変わり目には取り入れることが勧められています。

薬膳の視点で選ぶ!子供におすすめの免疫力アップ食材10選

以下に、子供の免疫力を高めるためにおすすめの薬膳食材を10種類紹介します。

食材特徴・薬膳的効果
長芋気と消化力を補う。山のうなぎとも呼ばれる。
れんこん呼吸器を潤し、喉や鼻の炎症を防ぐ。
かぼちゃ胃腸を温め、風邪予防・疲労回復に◎。
にんじん血を補い、体力をつける。目にも良い。
血を補い、体を温める。栄養価が高い。
鶏肉気を補い、体力回復に。疲れに強くなる。
黒きくらげ血を作り、免疫力アップにも期待。
豆類(大豆)筋肉とエネルギーを育てる。気を補う。
米麹体を温め、寒さによる不調を防ぐ。
はちみつ喉の炎症を和らげ、気を補う甘味。

どれも手に入りやすく、調理も簡単なものばかりです。

食材別の特徴と子供に合った取り入れ方

子供に薬膳食材を取り入れるには、味・食感・見た目がポイントになります。

長芋は角切りにして味噌汁に加えたり、ごはんに混ぜても違和感なく食べられます。れんこんは薄切りにしてきんぴらにするとシャキシャキ感が楽しく、食べやすくなります。

かぼちゃやにんじんは甘みがあり、スープや煮物で自然に受け入れやすい食材。鮭や鶏肉は、そぼろや麹につけて柔らかくすると子供も食べやすくなります。

米麹は甘酒にして、豆乳などで割って飲むなど自然な甘さで取り入れるとよいでしょう。

偏食やアレルギーがある子にも優しい工夫

食材によっては、子供が苦手だったり、アレルギーの心配があったりします。その場合は、薬膳の考え方を活かして「代替」や「調理の工夫」で対応できます。

例えば、長芋の代わりに大豆を使っても「気を補う」効果があります。れんこんが苦手なら、白木耳やゆりねなどの白い野菜も肺を潤す働きがあります。

豆類にアレルギーがある場合は、魚や肉でタンパク質を補いながら、消化に良い調理法(蒸し・煮込み・麹で下味)で与えるようにします。

大切なのは、「この食材でなければ」という思い込みを手放すこと。薬膳は、体に合った食材を柔軟に選ぶのが本来のスタイルです。

続けることがカギ!薬膳食材を日常に習慣化するヒント

免疫力を高めるためには、特別な日のごはんではなく、日常の食事に自然に薬膳を取り入れることが大切です。そのための習慣化アイデアをいくつかご紹介します。

・旬の薬膳食材を見かけたら少し多めに買い、小分け冷凍しておく
・「みそ汁」「スープ」「煮物」など、毎日の定番メニューに薬膳食材をひとつ入れてみる
・下処理済みの野菜セットやカット野菜をうまく活用して調理時間を短縮する
・子供と一緒に買い物をして、興味を持った食材を選ばせてみる

「毎日完璧にしよう」と思わずに、「できる日にちょっと意識する」だけでも、少しずつ体質は変わっていきます。

まとめ|体を育てる薬膳で子供の元気を支えよう

風邪をひきやすい、疲れやすい、なかなか体調が整わない…。そんな子供の体を、薬に頼らず、やさしく整えてあげたいと思うママにとって、薬膳はとても実践しやすい知恵です。

薬膳といっても特別なことをする必要はありません。長芋、れんこん、にんじん、鶏肉、黒キクラゲなど、普段のごはんに少しずつ取り入れるだけで、免疫力をじっくりと高めていくことができます。

毎日のごはんが、子供の未来の体をつくる。その視点を持つことで、「食べること」がもっと楽しく、前向きな時間に変わっていきます。ぜひ、今日から一つ、薬膳食材を取り入れてみてください。

-栄養と成長
-, , , ,