こどもの薬膳

「体にいい」の迷子にならない!ママの“気づき”がわが子の体を守る「こども薬膳」の知恵

「この食材、免疫力が上がるらしいよ」
「SNSで話題のあのスーパーフード、毎日食べさせたほうがいいのかな?」

スマホを開けば溢れてくる、キラキラした魅力的な健康情報の数々。子育てに一生懸命なママほど、こうした言葉に敏感になり、「やってあげなきゃ」と焦りを感じてしまうこともあるかもしれません。

でも、ちょっとだけ立ち止まってみてください。 その「体にいい」という言葉、「今の、あなたのお子さん」にとっても正解でしょうか?

「こども薬膳」では、何よりも大切にしている視点があります。

それは、どんなに優れた食材であっても、
「いつでも・誰にでも合うわけではない」ということ。

今回は、情報過多の時代に振り回されず、自信を持って食卓に向き合えるようになるための「バランスと観察」の考え方をお伝えします。

そもそも「体にいい」の正体ってなに?

私たちは日常的に「体にいい食べ物」という言葉を使います。

しかし、中医学(中国の伝統医学)をベースとした薬膳の考え方で見ると、その定義は驚くほど流動的です。

なぜなら、食べ物にはそれぞれ「性質」があり、食べる人の「体質」や「今の状態」によって、その働きが180度変わってしまうからです。

  • ある子にとっては: 体を温め、元気をくれる最高の味方
  • 別の子にとっては: 内側に熱をこもらせ、肌荒れや興奮の原因になるもの
  • 昨日のわが子には: ぴったりだったけれど
  • 今日のわが子には: 消化の負担になるもの

このように、「体にいい」は固定されたゴールではありません。季節、天候、そして何よりお子さんの刻一刻と変わるコンディションによって、正解は常に変化しているのです。

なぜ、子どもには「合う・合わない」がはっきり出るの?

大人が食べて何ともないものでも、子どもには刺激が強すぎたり、逆効果になったりすることがあります。

それには、子ども特有の体のメカニズムが関係しています。

1. 消化の力がまだ「ヒヨコ」の状態

中医学では、子どもの消化吸収システム(脾胃:ひい)は、大人に比べて非常に未発達でデリケートだと考えます。

例えば、大人に「滋養強壮にいい」とされる効果の強い高麗人参などの生薬や、栄養価が非常に高いサプリメント的な食材やドリンクは、子どもの小さな胃腸にとっては、処理しきれない「重すぎる荷物」になってしまうことがあるのです。

2. 「純陽(じゅんよう)の体」であること

子どもは成長のエネルギーに満ち溢れており、放っておいても体内に熱がこもりやすい性質(純陽)を持っています。 そのため、大人が冷え症対策で好む「体を温める力が強い食材」を毎日たっぷり摂りすぎると、子どもにとっては熱が過剰になり、寝つきが悪くなったり、鼻血が出やすくなったり、イライラしやすくなったりすることもあります。

3. バリア機能が発展途上

免疫機能や皮膚のバリアも、成長のステップを一段ずつ登っている最中です。

だからこそ、季節の変わり目や気圧の変化、ちょっとした疲れで、食べ物の受け取り方が敏感に変わります。

「こども薬膳」で知る、食材の個性を生かす視点

薬膳と聞くと、難しい漢字や苦い生薬をイメージするかもしれませんが、実は身近なスーパーの食材すべてに役割があります。

大切なのは、その「働き」を知ることです。

食材には、大きく分けて以下のような性質があります。

  • 温(おん): 体を温め、巡りをよくする
  • 涼(りょう): 体の余分な熱を冷ます
  • 潤(じゅん): 喉や肌の乾燥を潤す
  • 補(ほ): 足りないエネルギーを補う

例えば、冬に「体を温めるニラ」を食べるのは理にかなっていますが、もしお子さんがお風呂上がりに顔を真っ赤にして汗をかいているなら、その日は少し控えたほうがいいかもしれません。

「何を食べるか」という知識(情報の正解)よりも、「今のこの子に、その性質が必要か?」と考える習慣。これが、情報の波に飲み込まれないための第一歩になります。

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専門家より、ママの「観察」が勝る理由

テレビで専門家が言っていたから

有名なインフルエンサーがおすすめしていたから

その知識は、あくまで「一般論」です。

目の前にいる、鼻水を少し垂らしているわが子、いつもより目がトロンとしているわが子、そんな小さな変化に気づけるのは、世界中でママだけです。

いつも一緒にいるママだからこそ気がつけること、対応できることがあるんですよ。

身体が出している「声」を聴くチェックリスト

難しい診断は必要ありません。食べた後や、日々の生活の中で、以下のようなサインがないか観察してみてください。

  • お腹の様子: 食べた後、お腹がパンパンに張っていないか? 便の様子(固さや臭い)に変化はないか?
  • 睡眠: 寝つきはスムーズか? 夜中に何度も起きたり、激しく寝返りを打って布団からはみ出したりしていないか?
  • 顔色と表情: 顔色が白くないか?唇がカサカサしていないか? 舌の色がいつもより赤すぎたり、白っぽすぎたりしないか?
  • 機嫌: 理由もなくグズグズしたり、キーキーと声を上げたりしていないか?

これらはすべて、体からのメッセージです。

「いいと言われるものを食べているのに、なんだか調子が良くなさそう」と感じたら、それは「今は、これじゃないよ」という体からのサインかもしれません。

「体にいい」の落とし穴!

例えば、数年前に大流行した特定のオイルや、特定の野菜ジュース、発酵食品。これら自体は素晴らしいものです。

しかし、「〇〇さえ食べれば安心」という思考停止は、実はとても危険です。

調子を崩している時(風邪のひき始めなど)
・気温差が激しく、自律神経が疲れている時
・アレルギー症状が強く出ている時

こうした不安定な時期に、「体にいいから」と特定のものを詰め込むことは、消化器官にさらなる労働を強いることになります。

「足すこと」よりも「巡らせること」や「休ませること」が必要な時があるのです。

今日からできる、迷わないための3つの新習慣

SNSのキラキラした食事を見て、「私はあんなに品数を作れない」「体にいいものを使いこなせていない」と落ち込む必要はありません。 ママに必要なのは、以下の3つの姿勢だけです。

1. 「何のために出すか」を1秒だけ考える

「なんとなく体にいいから」を卒業しましょう。

「今日は少し咳が出るから、喉を潤すレンコンを足そう」
「今日は外で走り回って元気すぎたから、熱を冷ます豆腐にしよう」

小さな理由で構いません。目的を持って選ぶことで、食材は「ただの食べ物」から「わが子を守るお守り」に変わります。

2. 「ちょっとだけ」から始める実験精神

新しい健康法や食材を取り入れるときは、一気に変えないこと。まずは一口、あるいは週に1回から。

「これを食べたら、翌日のウンチはどうかな?」と、実験するような気持ちで、わが子の反応を観察してみてください。

3. 「毎日同じ」を思い切ってやめてみる

「朝ごはんは絶対これ!」と決めつけず、朝起きた時の子どもの顔色を見て、「今日は食欲なさそうだから、お粥だけにしよう」と引き算ができる。その柔軟さこそが、本当の意味での「食育」です。

知識は「振り回されるため」ではなく「自分で決めるため」にある

小さな命を預かるママとして、日々プレッシャーを感じることもあるでしょう。

溢れる情報の中で、何が正しいのか分からなくなることもあるでしょう。

でも、忘れないでください。 

「わが子にとっての正解」を決められるのは、有名な先生でも、SNSのインフルエンサーでもなく、毎日一番近くで寄り添っているママ、あなた自身です。

誰かに言われたからいい、ではなく、「今のうちの子の状態を見たら、これがいいと判断した」。 そう胸を張って言える知識が、こども薬膳です。

この知識があれば、もうキラキラしたSNSの世界と比較して焦る必要はありません。情報過多な時代にあっても、しっかりと地に足をつけて、わが子にぴったりの選択ができるようになります。

「体にいい」という言葉は、誰かの正解をなぞるためのゴールではありません。 それは、わが子の体質を知り、わが子の変化に気づくための、大切な「入り口」なのです。

あわせて読みたい

まずは「わが子のタイプ」を知ることから始めませんか?

「観察が大事なのはわかったけれど、具体的にどこを見ればいいの?」

「うちの子の体質って、もともとどういう傾向があるんだろう?」

そんな疑問を持ったママのために、プレゼントをご用意しています。

診断シート

まずは、公式LINEで配布中の「わが子の体質診断シート」を手に入れてみてください。 お子さんのタイプ(熱がこもりやすい、疲れやすい、乾燥しやすいなど)がわかると、今日から何を選び、何を控えるべきかが見えてきますよ。

さらに詳しく学びたい方、自分自身の判断に自信を持ちたい方は、ぜひ書籍薬に頼らずのびのび育てる「こども薬膳」を手に取ってみてください。

情報に振り回される毎日から、わが子の専属の食医として自信を持って食卓を囲む毎日へ。 あなたと大切なお子さんの心地よい日々を、こども薬膳は応援しています。

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