暮らしに活かす薬膳

お祝いの日にぴったりの薬膳ごはん|子供の健やかな成長を願う特別な食卓

子どもの成長を見守る日々のなかで、何気ない一日が、少しだけ特別になる瞬間。
そんな「ハレの日」の食卓に、薬膳の知恵をほんの少し添えてみませんか?

薬膳と聞くと、難しそうなイメージを持たれるかもしれません。でも実は、「その時のからだに合ったものを、おいしく、やさしく食べる」——それが薬膳の基本。
だからこそ、子どもたちの成長を祝う“ハレの日”にこそ、ぴったりなのです。

「ハレの日」を薬膳の視点で見つめる

日本には、家族で囲む特別な食卓がたくさんあります。七五三、誕生日、入学・卒業、季節の節目のお祝い。こうした行事は、子どもの成長を実感し、家族の絆を深める大切なタイミングです。

ハレの日=体と心を整えるチャンス

薬膳では、どんな食事にも「意味」があると考えます。お祝いごはんもただの“ごちそう”ではなく、「体を補う」「巡らせる」「整える」ことができる大切な一膳。ハレの日の料理は、元気なエネルギー(気)や栄養(血)をしっかりと補いながら、心もほぐす役割を持っています。

ハレの日に子供の元気と成長を祈って薬膳を取り入れてみませんか?

お祝いの薬膳ごはんに込めたい3つのエッセンス

1. 彩りで、ワクワクする気持ちを引き出す

子どもたちは目で食べます。カラフルなごはん、星型のにんじん、ほんの少しの飾り切り。それだけで「おいしそう!」と笑顔が生まれます。

いつもと違う豪華なお皿、いつもと違う盛り付けのご飯、いつもと違う場所で食べるなど、同じお料理でも見た目やシーンが違えば、子供にとっては全く違った料理に見えるのです。

ワクワクの気持ちは美味しさに添えるエッセンス。イベントの時には「いつもとちょっと違う何か」を意識してみましょう。

2. はたらきで、体へのやさしさを添える

お祝いと聞くと、つい豪華でボリュームのある料理を想像しがち。でも、子どもの消化力はまだまだ未熟。薬膳では「脾(ひ)」——消化吸収を司る臓腑を大切にすることが基本です。

たとえば、唐揚げやケーキばかりでは、子どもたちの体に負担がかかります。煮る、蒸す、スープにする。シンプルで温かい料理こそ、子どもの体をいたわる“ごちそう”なのです。

3. 想いで、心をまるごと包む

「今日は、あなたのための日だよ」

そう伝えるだけで、子どもの心はぽっと温かくなるもの。
薬膳では、心の状態も体調に深く関係していると考えられています。笑顔や会話、食卓を囲むひととき——そのすべてが、子どもの元気のもと。

ハレの日のごはんには、家族の“想い”という目に見えない栄養もたっぷり込められています。

子どもの成長を支える薬膳おすすめ食材

気を補って、のびのび元気に

  • うるち米・もち米
     主食でしっかりエネルギーを。赤飯やおこわはまさに行事にぴったり。
  • さつまいも・じゃがいも
     甘味で胃腸にやさしく、食べやすい。蒸してつぶせば幼児でもOK。
  • にんじん
     彩りと栄養を兼ねた万能野菜。スープ、煮物、飾り切りに大活躍。

血を養って、じっくり丈夫に

  • 黒ごま
     血を補い、発育を助けるスーパーフード。ごはんに混ぜて、和え物にも◎。
  • なつめ
     漢方でもおなじみの果実。やさしい甘みでスープやおこわにぴったり。
  • 鶏肉
     消化にやさしく、良質なたんぱく質。親子丼ややわらか煮で子どもも食べやすい。

子どもの成長を食材でサポート

  • 黒ごま
     血を補い、発育を助けるスーパーフード。ごはんに混ぜて、和え物にも◎。
  • 黒豆
     成長期の体づくりを助けるのに欠かせない食材。炒り豆や煮物、ご飯に。
  • ブロッコリー
     体の調子を穏やか整え、成長をサポートする食材。彩アップにも!

特別な日の特別な食卓をもっと家族で楽しむには?

名前の魔法をかけてみる

料理に名前をつけるだけで、子どもの反応がガラリと変わります。

  • 「◯◯ちゃんの、元気モリモリおにぎり」
  • 「◯◯くんお祝いスープ」
  • 「お星さまにんじんの◯◯ちゃんサラダ」

たったこれだけで、「これ、わたしのだ!」とニコニコ食べてくれるかもしれません。

見た目・食感・調理法をやさしく

  • 苦手な野菜はペーストにしてスープや茶碗蒸しへ
  • 野菜を星型にカットしてトッピング
  • 焼き野菜を甘辛味にして親しみやすく

ほんのひと手間が、苦手→お気に入りに変わるきっかけになります。

一緒に選んで、一緒に作る

スーパーで「どれにしようか?」と聞いてみる
盛りつけを「お手伝いして〜」とお願いしてみる
そうすると、「自分で選んだ」「作った」という気持ちが芽生えて、自然と食への興味も深まります。

ハレの日から、日常の薬膳へつなげていく

ハレの日=体をいたわる好機

揚げ物や甘いものだけじゃなく、「体が喜ぶものを選んであげる」
それだけで、ハレの日の価値がぐんと上がります。

節目を、体調リセットのタイミングに

七五三の時期は、気温もぐっと下がる頃。
入学の春は、環境が変わって疲れやすい時期。
そういう時こそ、「今日は、体を整えるごはんにしようか」と意識を向けてみましょう。

ハレの日の経験が、日常のヒントに

「前に作ったほうれん草のスープ、おいしかったよね」
「またあのお祝いご飯、食べたいな」

そんな会話から、薬膳のエッセンスが少しずつ日常に広がっていきます。

まとめ|食べることは、子どもの成長を願うこと

子どもの成長は、あっという間です。
昨日できなかったことが、今日できるようになったり。
小さな手が、いつの間にかしっかりと箸を持っていたり。

そんな日々の中で迎える「ハレの日」は、かけがえのない瞬間。
その食卓に、「体と心を想って選んだごはん」が並ぶだけで、それは特別な贈りものになります。

薬膳はむずかしいものではありません。
あなたの「元気でいてほしい」という気持ちこそが、何よりの薬膳。

今日のごはんが、子どもの笑顔と、家族のあたたかい記憶になりますように。

子どもの成長を願うお祝いの日にも、ぜひ薬膳を取り入れてみてください。

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